第5章 変革期

2004

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2023

第6節 創立100周年とその先に向けて

1 商船三井による完全子会社化

当社は2004(平成16)年10月に商船三井の連結子会社となり、商船三井グループの一員として事業を展開してきた。取り巻く経営環境がさらに厳しさを増しつつある中、より一体感をもって事業を展開していくため、2021(令和3)年11月、商船三井は当社の普通株式5515万6001株を対象として1株につき2200円で公開買付を行うことを決定した。

  • 株式会社商船三井

海運業者である商船三井は需要が景気や市況の変動による影響を受けやすく、また中長期的には脱炭素化への対応が迫られており、グループ会社の持つ強みやネットワークが生かせる新規事業領域への展開が求められていた。

一方で当社側は、商船三井の完全子会社になることで、少数株主との利益相反の懸念が解消され、商船三井グループの持つ豊富な経営資源などの活用により、中長期的な企業価値向上をもたらすシナジーを実現できるものと考えた。具体的には、①国内における「投資対象の拡充」の強化:商船三井の持つ幅広い人脈やネットワーク、物流サービスプロバイダーとしての運営ノウハウの活用による地方中核都市へのさらなる投資拡充や物流施設などの投資対象の拡充、商船三井の与信枠を使っての資金調達による大型投資の実現、②海外事業の強化:商船三井グループが世界各所に有する幅広いネットワークや豊富なビジネス経験を生かした海外事業の強化・拡充、である。

これらのシナジーを実現できるものと判断し、公開買付に賛同することを2021年11月30日の取締役会で決議し、応募期間は、同年12月1日から翌年1月18日までとした。

公開買付の結果、商船三井の取得比率が82.60%と9割に満たなかったため、2段階目の手続きとして3月の臨時総会にて、残りの全株式を商船三井が買い取ることを目的に株式併合を決議し、4月28日に株式併合の効力が発生、当社は商船三井の完全子会社となった。なお、これに先立ち4月26日、当社は上場を廃止した。