第5章 変革期

2004

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2023

第1節 商船三井による連結子会社化と経営計画の推進

6 中期経営計画「"Daibiru-3D"プロジェクトPhase-Ⅱ」の策定

「“Daibiru-3D”プロジェクトPhase-Ⅰ」では、3年間累計の営業収益は目標の1019億円に対して994億円と若干下回ったものの、経常利益は266億円(目標266億円)となり目標値を達成することができた。これを受け、2010(平成22)年7月、新しい中期経営計画である「“Daibiru-3D”プロジェクトPhase-Ⅱ」(2010~2012年度)を策定した。本計画では「『ダイビルならでは』のサービスの深化と新たな領域への挑戦を」をスローガンとし、基本戦略として「ダイビル・ビジネスモデルの積極展開」と「新事業領域への挑戦」を掲げた。最終年度となる2012年度の営業収益目標を380億円とし、アクションプランとして次の6項目を挙げた。

  • グランダ石神井公園

  1. 国内における新規アセット投資
  2. 既存アセットのバリューアップ
  3. 成長市場への進出
  4. 『ダイビルならでは』のサービス追求
  5. 環境への取り組み
  6. 人材の育成・強化

このうちの「成長市場への進出」では、高齢化の進展により市場の拡大が見込めるシニア事業への参入を図り、その第一弾として2011年12月に神奈川県川崎市の介護付有料老人ホーム「くらら鷺沼」、2012年10月には東京都練馬区の介護付有料老人ホーム「グランダ石神井公園」を取得した。

くらら鷺沼は都心へのアクセスに優れ、首都圏のベッドタウンとして良好な住環境が整ったエリアに位置し、業界最大手であり、優良オペレータであるベネッセスタイルケアによる施設運営により長期安定的に収益に貢献することが期待された。グランダ石神井公園も都心へのアクセスに優れ、周辺は中規模の戸建て住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街であり、ここもベネッセスタイルケアによって施設が運営され、長期の収益が期待された。

成長市場への進出のもう一つである海外市場への進出では、2012年1月に初の海外案件となるベトナムホーチミン市におけるサイゴン・タワーの所有会社であるSaigon Tower Co., Ltd.を取得した。